大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和44(あ)543 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人後藤信夫、同遠藤光男、同後藤徳司の上告趣意第一点について。

所論は、公職選挙法一二九条、二三九条一号の各規定は、構成要件の内容が全く

不明確で実質的に白地であるから、憲法三一条に違反し無効であると主張するが、

公職選挙法における選挙運動の意義が所論のように不明確であるとはいえないし、

同法一二九条はこの選挙運動を一定期間においてのみすることを許し、同法二三九

条はこれに違反した者を処罰することを規定しているのであるから、右違反の罪の

構成要件が実質的に白地であるとか、または不明確であるとかいうことはできない

(昭和三八年一〇月二二日第三小法廷決定、刑集一七巻九号一七五五頁、同四一年

四月二一日第一小法廷決定、裁判集一五九号三三三頁各参照)。したがつて、所論

違憲の主張は、前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。

同第二点について。

所論は、被告人の司法警察員および検察官に対する各供述調書の自白部分は任意

性を欠くから、これを採証した原判決は憲法三八条二項違反であると主張するが、

記録を調べても、所論各調書の自白部分に任意性を疑うに足りる証拠がないとした

原審の判断は相当であるから、所論違憲の主張は、前提を欠き、適法な上告理由に

あたらない。

同第三点について。

所論は、原審におけるAに対する証人尋問の際被告人側に反対尋問の機会が十分

に与えられなかつたとして憲法三七条二項違反を主張するが、記録を調べても、所

論のような事実は認められないから、所論違憲の主張は、前提を欠き、適法な上告

理由にあたらない。

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同第四点について。

所論は、判例違反を主張するが、引用の判例はいずれも本件に適切でないから、

所論は、前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。

同第五点は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であつて、適法な上告

理由にあたらない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和四四年七月八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 松 本 正 雄

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 飯 村 義 美

裁判官 関 根 小 郷

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